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プロペシアはもともと前立腺の治療薬だった

2020年04月13日
薬を口に入れる男性

プロペシア(フィナステリド)は、アメリカで製造された治療薬です。この開発に関してはおもしろいエピソードがあります。プロペシアは、メルク社という世界的な製薬会社が1991年に開発を始め、翌年の1992年に認可を得ました。実ははじめはAGAの治療薬として製造されたわけではありません。実はプロペシアは前立腺治療の薬として開発されました。前立腺は膀胱の隣にある器官で、ここが肥大すると排尿障害が起こることがあります。前立腺の肥大には男性ホルモンが関わっており、この前立腺肥大を収めるためにこの医薬品は開発されました。開発は順調に進んで1992年に認可を得ます。前立腺予防試験では、25%の前立腺がんの進行を抑制する効果が確認されました。

製造から認可まで順調に進んでいたメルク社のプロペシアですが、発売後に行われた治験である副作用が発覚します。それが発毛に関するものです。プロペシアで治療をした被験者たちに発毛が促進されていることがわかりました。この発見により前立腺治療として開発されたプロペシアはAGA治療にも開発が進むことになります。1997年にはAGAに対する効果が認められて認可を得ます。日本では2004年から臨床治験が始まって、2005年の10月に厚生労働省の認可を得ました。後発薬も近年発売が続いており、様々なメーカーから医薬品が選べるようになっています。

このようにプロペシアは、偶然の発見によってAGAの治療薬となりました。製薬業界では予想外な発見は数多くあります。フレミングのペニシリンの発見は有名なエピソードでしょう。ブドウ球菌を培養中にカビが落ちたことでペニシリンを発見したエピソードはよく知られます。他にもED治療薬としてよく知られているバイアグラの薬は狭心症の治療薬から誕生しました。プロペシアと相性がよいミノキシジルも副作用により発見したものです。ミノキシジルはもともと血圧を下げる薬として開発されていましたが、発毛の促進効果があることが副作用により分かります。

失敗は成功の母といいますが、製薬業界では副作用や失敗から思わぬ成功につながった商品が多数あります。普段わたしたちが服用している薬に関しても、それぞれ開発ヒストリーがあるでしょう。今回はプロペシアについて紹介しましたが、風邪薬やアレルギー薬など普段服用している薬の開発の歴史に付いても調べてみると思わぬ発見があるかもしれません。